気持ちを落ち着かせる深呼吸法
緊張した時や仕事で一息つく時など、リラックスするために深呼吸をすることってありますよね?
深呼吸は緊張しているときや疲れたときに、気持ちを落ち着かせるための方法として有効です。ただ深呼吸すれば良いということではなく、深呼吸にはいろいろな種類があり、効果も様々。リラックスするための深呼吸法もちゃんと存在します。
今回は「気持ちを落ち着かせる深呼吸法」を皆さんに具体的に解説していきます。
心と呼吸の関係
普段、私たちが行っている呼吸がなぜリラックスに結び付くの?と疑問に思われている方も多いかと思います。気持ちが落ち着いている状態だと、呼吸は深くゆっくり行われています。
逆に極度の緊張や疲労の際は、呼吸が浅く早くなり、呼吸が乱れた状態になった経験はないでしょうか?
これは心と呼吸が密接な関係にあるからです。
現代人はいわゆるストレス社会の中で生活しており、緊張状態が続き、知らず知らずのうちに浅い呼吸が習慣化されてしまう傾向にあります。この緊張状態などにみられる浅い呼吸を「胸式呼吸」と呼び、リラックス状態の深い呼吸を「腹式呼吸」と呼びます。
□胸式呼吸
・急速な酸素の取り込みを行える
・交感神経が刺激され、脳や体の覚醒を促す
□腹式呼吸
・少ない呼吸数で酸素を体内に多く取り入れる
・副交感神経を刺激し、リラックス効果を与える
・肺や心臓の負担が減り、血圧を抑える効果がある
・横隔膜を動かすことで内臓がマッサージされる
・生体機能を整え全身の血行促進に繋がる
こうしてみると「胸式呼吸」はメリットが少ないように感じられますが、交感神経を刺激することで一種の興奮状態になり、体に刺激を与えることで筋肉などの活性化に繋がるため、ダイエット効果を期待できます。
反対に「腹式呼吸」は副交感神経を刺激することで脳に落ち着く信号を送り、体をリラックスさせる働きを促します。
気持ちを落ち着かせる「腹式呼吸法」
深呼吸には「胸式呼吸法」と「腹式呼吸法」の二種類があるということは前述でお分かりいただけたと思います。
ここでは、リラックスするための「腹式呼吸法」の正しい方法をご説明します。
まず知っておいてほしいのが、吸うときは口ではなく鼻からということ。
口から息を吸ってしまうと空気中の細菌などが口から入り込んでしまい、のどの粘膜などに病原菌が付着してしまい病気になりやすくなってしまうからです。それでは正しい腹式呼吸法を順番にご説明します。
<てんまん腹式呼吸法>
1.フーと音がするくらい口から完全に息を吐き出します。
2.口を閉じて鼻から4秒間吸い込みます。
3.息を7秒間止めます。
4.8秒かけてゆっくりと口からフーと音がするくらい息を吐き出します。
※1~4を4回以上繰り返しましょう。
腹式呼吸法のポイントは……
・息を吸うときは必ず鼻で。
・息を吐き出すときは口をしぼめ、フーと音がするくらいにします。
・吸う息より、吐く息を意識して長めに吐きましょう。
・無理に呼吸することなく、心地よいリズムで行うことが大切。
深呼吸法とポイントさえ押さえていれば、どんな体勢でもできるのが利点です。
・立った状態
手すりなどに掴まりながら安定した場所で行うことが大事です。
・座った状態
背筋をピンと伸ばし浅く腰掛け、おへその辺りに手を置いた状態で両足はしっかりと床につけましょう。お腹に手を当てたほうが呼吸の感覚が解りやすいですが、腿でも構いません。
・横になった状態
体を仰向けにして膝を立てた状態でお腹の辺りに手を置いて行いましょう。手の位置はどこでも構いません。
呼吸法を身に着けることでどんな状況でも今までよりリラックスできるようになり、寝つきもよくなります。よりよい生活を目指すには是非とも身に着けたい方法です。
今回紹介したやり方はハーバード大学出身の健康医学研究者アンドルー・ワイル博士が提唱するものです。このほかにも様々な呼吸法があるので、是非自分にあった深呼吸法を身に着けてみてくださいね。